Friday, 15 December 2023

Two advocacies

 みなさんは、「advocacy」という英語の単語をご存知でしょうか?

もともとは、 動詞の「advocate」から派生した単語です。「advocate」とは「代弁する」という意味です。「advocacy」は代弁、代弁者という意味になります。

HRにはふたつの「advocacy」があります。

  1. employee advocacy
  2. employer advocacy

まず、HRは社員の立場を理解する役目があります。従業員がどのように考えているか? Engageしているのかしていないのか。社員目線をもつことは重要です。

一方で、経営に近い位置にもあります。会社の人的資源が戦略とくらべて合致しているのかしていないのか。会社の人的資源をどのように進化させていく必要があるのか。経営層の立場で考えることも大切です。

しかし、もっとも重要なのはそのバランスです。

仮に、HRがemployee advocacyだけになってしまってはどうなるでしょうか? これでは、労働組合と変わりません。経営層はHRとは話したいでしょうが、労働組合とは話したいと思わないかもしれません。話しても、HRの言い分を信じてくれないかもしれません。また、従業員の権利と要求だけが大きくなり、それが、会社の利益と相反するようになれば、会社の利益も危うくなるリスクがあります。そして、社員と経営はバラバラになるでしょう。

逆に、HRがemployer advocacyに偏るとどうなるでしょうか? これでは、経営層と変わりません。自分たちの立場を理解しないHRに社員が話したいと思うでしょうか? 経営層は、会社の利益だけを目指し、社員の権利と尊厳はダメージを受け、その結果、労使関係はギスギスしていくでしょう。職場も荒れていくかもしれません。こちらの場合も、社員と経営はバラバラになる可能性が高くなります。

HRBPはERに近い領域で仕事をすることが多々あります。そのときに、ふたつのadvocacyのバランスを損ねると、マネジャーからの信頼が低くなったり、あるいは、社員との距離が大きくなったります。

どんな状態がバランスが取れていると言えるのか? それを言葉で表すことは難しいのですが、社員が言ったことを鵜呑みにして、社員の発言に問題がある場合に何も指摘しないときは、Employee advocacy > Employer advocacyです。逆に、うちのHRはマネジャーの言いなりだからと言われるような状況では、Employee advocacy < Employer advocacyと言えます。

いいバランスを取るには、まずは、ふたつのadvocacyがあることを理解すること。そして、時折、自分をその観点から振り返ること。そして、内省から改善へと意識を向けること。これを繰り返すことで徐々にできるようになると思います。

Striking a right balance between employee advocacy and employer advocacy is not a science, but an art. Art is based on the following principle: practices makes perfect.



Thursday, 29 June 2023

わかりやすい話し方

先日、テレビで政治的な話題に関する番組を見ていました。登場していた解説者は二人。ともに経験・知見ともに抜きん出た方です。

一人の方はわかりやすく、興味を持って話を聞けました。しかし、もう一方の方は、なんだか話が聞きにくい。途中で話を聞けなくなってしまいました。

いったい、二人の差は何だったのだろう?

次の二点に絞られるという結論に達しました。

  1. 話の方向が見えるか見えないか
  2. 文章を切って話しているかどうか

ひとつめは、話の構成です。「結論から先に」とよく言われますが、これは、結論を先にいうと、話の方向性がわかりやすく、話を聞くのが楽になるからです。言われた質問に対して、手短にコメントをした上で、補足するというスタイルがやはりわかりやすいと思いました。

ふたつめは、Deliveryの側面です。「わたしは 思います」というのと「わたし は思います」というのと、どちらが聞きやすいかという話です。考えながら話をすると、通常は息をつがない箇所で息を切ったりします。すると、歯切れが悪い、耳障り、という印象は免れません。

残念なことに、一人の方は上の二つの側面で合格点に達していませんでした。そのため、聞いていて、わかりやすいとは思えなかったのです。そもそも、途中で集中力が切れて、話を聞こうという意欲さえ失われてしまいました。

英語だろうと、日本語だろうと、果たして、自分が話しているときに上の二つの側面においてどのようにPerformしているか気になりました。しばらく、気をつけて話をしてみよう。

 

 


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Wednesday, 28 June 2023

Power of conversation to stay connected

 「HRのアウトソースを検討している」

もし、上のような言葉を社長やCEOから聞いたら、HR professionalとしては、ショックでしょうね。

「いつからですか?
「全部じゃなくて一部ですよね?」

そんな質問が出てきそうですが、一番大きな質問は次ですよね。

「どうしてですか?」

幸い、上のような言葉は聞いたことは私の経験にはありません。しかし、もし、HRをアウトソースしようかとビジネスが考えるとしたら、その理由は、ビジネスが期待していることと、HRが行っていることに大きな差があるということではないでしょうか?

If there is a significant gap between what the business expects from HR and what HR currently delivers, a question shall emerge challenging HR's service and even HR's existence.

ビジネスが望むことと、HRが提供することには、常に差があると思います。これは、WantsとNeedsの違いからくるものです。そもそも、HRはコンサルティングまたはアドバイザリーサービスを行うわけですから、相手のWantsから真のNeedsを探り当てるというのは仕事の一部です。

しかし、HRをアウトソースしようかとビジネスが考える背景には、HRが役に立っているのかということに疑問が生まれています。その理由は、おそらくは、HRがビジネスから離れていることでしょう。逆に言うと、最近のHR Directorの要求にBusiness acumenという言葉が必ず登場するのは、HRはビジネスとつながっていてほしいという要求であり、HRがビジネスからdisconnectするのは避けたいという切実なビジネスの願いでしょう。

どうすれば、disconnectを避けられるのでしょうか?

結局、キーは会話だと思います。

ヘッドはビジネスヘッドとビジネスの話をしているか。そして、HRBPはマネジャーだけでなくスタッフと話をしているか。会話をしていれば、インプットがあります。インプットがあれば、状況はわかりますので、意味のあるアクションを取ろうという方向に動くことは難しくありません。

しかし、会話がなければ、状況は見えないわけで、見えないのであれば、HRの行動がビジネスのニーズから離れてしまうのは時間の問題です。

ヘッドならば、ビジネスとは三ヶ月に一回はフォーマルな会話を持ちたいですし、それ以外に、インフォーマルまたはカジュアルに一ヶ月に一回は話していないといけないでしょう。そうでないと、disconnectするリスクが高まります。

みなさんは、ビジネスとの接点をどのように維持されていますか?
 


 


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Saturday, 24 June 2023

Employee monitoring on the rise

 Covid-19をきっかけに、Hybrid workingが広がりました。

つまり、会社のオフィスで働くというのと、在宅勤務の混在した勤務体系です。中には、在宅勤務100%を認める会社も出てきました。

そんな中で増えてきているのが、Employee monitoringです。オフィスにいれば、サボっているのは比較的わかりやすいのに対して、在宅勤務をしているときには、本当に仕事をしているのか、仕事のフリをして実はサボっているのかわかりません。生産性は在宅勤務で担保されているのか? 在宅勤務が増えてきた状況では、この質問はもっともな質問です。

そこで、社員の勤務状況をモニターしようというのが、Employee monitoringの意味するところです。

Hybrid workingが始まる前からEmployee monitoringはありました。ただ、そのときは、勤務開始時間と勤務終了時間を把握するくらいでした。今は、テクノロジーの普及により、コンピューターがどのように使われているのか、アプリケーション単位で把握することが可能です。さらには、録画・録音も技術的には可能です。

しかし、こうなると、プライバシー侵害だと感じる社員もいるでしょう。そこまで言わなくても、モニターというよりは「監視」されていると感じることで、Engagementやモラルに悪影響が及ぶ可能性は大いにあります。

Hybrid workingを使ってサボタージュしているような社員にはそれなりの罰則が正当化されると思いおますが、False accusationに基づいて不当な処置をすることを避けるためには、Employee monitoringは必要です。一方で、Employee monitoringは導入の仕方によっては、モラルに悪影響を及ぼすリスクがあります。

CIPDの記事ではこの点をとりあげていますが、メンバーだけに公開しているため、記事をシェアすることができませんが、結論では、「透明性をもって社員に説明し、社員のBuy-innを得る」ことがEmployee monitoringの成功にとって重要だと結んでいます。まったく同感ですが、HR professionalとしては、Howが重要ですね。


 


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Saturday, 27 May 2023

People or HR and high performing culture

つまらない話題かもしれませんが、ときどき、人に関することを、「HR matter」と呼ぶクライアントがいらっしゃいます。

そのたびに、内心では心を痛めております。

違うんだよな、だって、「HR matter」と言うと、「人事部門の課題」ということになってしまうから、「people matter」と呼ぶほうが誤解は少ないし、「HR matter」と呼ぶことで、深層心理では、人に関することは自分たちのことではなく、人事部門がやってくれることだと思っているように思うからです。

こういうとき、その場で訂正するほうがいいのでしょうか?

こういう用語の使い方をするクライアントは、HR planとPeople planの違いがわからないのかもしれません。

初めてPeople planを作ったとき、その違いを説明するためにスライドを一枚追加したことがあります。

- People plan: 組織における人に関する政策・計画
- HR plan: 人事部門の政策・計画

上の考えは、David Ulrich氏が本の中でも明確に違いを謳っていますが、ひょっとしたら、人事部門の中でも、この違いを意識している社員は意外と少ないかもしれません。何人のHR professionalsがこの違いを的確に説明できるのでしょうか? 

HRとPeopleの違いは重要だと思います。Peopleと言ったとき、そこにあるのは、人の話は組織全体の話であるが、人事部門のリーダーシップのもとに各部門と人事部門がパートナーシップを築きながら推進していくという枠組みです。この重要な枠組みを担保するのが、Peopleという言葉だと思います。

だからこそ、最近はChief Human Resources OfficerというよりはChief People Officerというタイトル名が増えてきているのだと思います。会社における人員政策の責任をもつことをHRのトップが期待されているということです。

でも、現在はCulture transformationが期待されているので、そのうち、Chief People & Culture Officerみたいな名前もだんだん増えて行くのかもしれません。

ところで、Culture transformationですが、私は、Silver bulletがあるとは思いません。つまり、これをすればCulture transformation確定みたいな特効薬はないと思います。でも、既存のスキームやプログラムを組み合わせることで、Silver bulletに見えるようなソリューションを提供できるのではないかと思います。

たとえば、high performing cultureを推進したい。言うのは簡単ですが、行うのは難しい。まず思うのは、現在high performing cultureでないとしたら、どんな側面なのか? たとえば

1) 高いパフォーマンスを目指す人が少ない→現状で満足する人が多い
2) 高いパフォーマンスに報いる制度がない

2つ目の質問は複雑です。パフォーマンスが高くても低くても賞与や昇進・昇給にあまり直結しないのか、高いパフォーマンスを上司が勘違いしているのか?

こんなとき、まずは、Executive memberとHR Leaderが1:1で話し合いをして、high performanceとはどんなことを指すのかヒアリングを行い、それをまとめてコンセンサスを得たものをPeople Leaders及びStaffと共有し、それを評価する、その上で、その成果を図るという仕組みが有効かもしれません。

みなさんは、どんな考えをおもちですか?



 


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Saturday, 20 May 2023

Culture transformation (1)

最近のHRの流行といえば、Culture transformationでしょう。

変革を迫られない企業はないでしょう。技術変革、プロセス変革、そして、企業文化の変革。企業文化の変革はHRの領域だという主張です。

企業文化 (organisational culture) は、そもそも定義が難しいのですが、定義をしないことには、変革をすることはできませんよね。CIPによると

Culture is not one dimensional, fixed, or singular in its nature. It is the result of interacting people, processes, procedures, systems and networks (CIPD, 2016). 

「 文化は、性格から言って、一つの次元で語れるものではありませんし、固定したものでも、単一のものでもありません。人々同士のインターラクション、ワークプロセス、仕事の手続き、システム、そしてネットワークの結果が文化なのです。(和文は私訳です」

行動科学の研究によると、規則で縛られた環境は、ポジティブな文化を作ることができず、逆に、意図しない、願わない結果につながると言います。たとえば、個人の責任感など一切なくただ規則に従ったりする行動です。 

今朝、CIPDの書類を読んでいたのですが、企業文化ではなく、organisational climateというのがあることを知りました。

An organisational climate is widely defined as the meaning people attach to certain features of the work setting. It’s the feeling or atmosphere people have in an organisation, either day-to-day or more generally.

企業天候は、人々が仕事のセッティングのある特徴につける意味を指すそうです。日々の体験であろうが、一般的な体験であろうが、人々が組織の中でどのような感情や雰囲気をもっているか。

すでに成立しているorganisational climateのひとつに、safety climateというのがあるそうです。

This concerns employees’ perceptions that an organisation’s policies and practices contribute to workplace safety. A safety climate also focuses on what influences the safety of behaviour, for example whether an organisation encourages learning from mistakes or favours punishment. .
これを見て思ったのは、一般に行われているEmployee Engagement surveyというのは、organisational cultureを測るものではなく、organisational climateを測るものではないかということです。たとえば、失敗から学ぶ風潮が多いと思うか、それとも、失敗を責める風潮があるかという質問はEmployee Engagement surveyにはよく登場すると思います。

天候は時間とともに変わります。organisational climateも毎日変わるものなのかもしれません。常々、Employee Engagement surveyは社員の感情に左右されると思ってきましたが、Employee Engagement surveyがorganisational climateを測定対象としているのであれば、完全に納得が行きます。organisational climate = feeling / atmosphere ですから。

正直、Culture transformationに関する本はありますが、コースはあまりないため、HR professionalsがこの分野をしっかり学習する機会は少ないと思います。自分もまだまだ学習過程にありますが、別の機会に学んだことをシェアしたいと思います。



 


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Saturday, 13 May 2023

UK update: Smarter Regulations to Grow the Economy

 英国の話です。

 People Managementによると、英国政府が雇用・労働に関係する法律の改定を考えているそうです。

Non-compete clauses, TUPE and Working Time Regulations in the spotlight of government proposals – what could this mean for employers?

記事によると、Non-compete(競合禁止)期間が最長3ヶ月に制限がかかる可能性があるとのこと。これにより、労働者の権利は守られるとしていますが、一方で、企業にとっては、労働者が短い期間で競合他社に移ることになり、何らかのアクションを考えるのではないかと考える専門家もいるようです。

たとえば、Notice periodを長くするということですね。

日本では、Non-competeは法律で決められていないので、日本企業にとっては対岸の火事かもしれませんが、外資系企業の日本企業にとっては、影響が遅かれ早かれ生じる可能性がありますね。この手の条項は「restrictive covenants」といいますが、外資系企業では、契約書に入ることが少なくないでしょう。英国に本社がある外資系企業の場合は、この条項の見直しがグローバルに通知されるかもしれません。

もう一点興味深いのは、以下の英文です。

The government has also suggested removing retained EU case law that requires companies to record working hours for practically all members of the workforce; employers are now obligated to keep these to ensure the 48-hour working time restriction is adhered to.
おそらく、EUの法律で、事実上全従業員の労働時間を記録する必要があるのでしょう。それを除去することを政府が提案しているそうです。

どこかで聞いたことがあるないようですね。

日本でも、管理監督者であるかどうかにかかわらず、労働時間を把握するように求められています。このことを説明するときに上の英文が役立ちそうというのはいい(record working hours for all members of the workforce)として、これが重荷になっているという認識は、日本政府にはあるのでしょうか。

最後に、TUPEという用語を初めて知りました。いや、どこかで見たことはあると思うのですが、興味を持って調べてみたのは今回が初めてです。

TUPE = Transfer of Undertakings (Protection of Employment)

事業譲渡の場合に、その影響を受ける社員の保護を規定した法律と私は捉えましたが、日本にはあまり参考にならないかもしれません。



 


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Friday, 23 September 2022

HRに関して思うこと - 008

企業にとって、人材は重要なリソースです。

お金があっても人がいなければ企業活動は成り立ちません。 それも、ただ人がいればいいのではありません。必要な部署に必要な人材が配置されていることが大切です。いわゆる、適材適所というやつです。

Workforce planningは、そういう意味から考えても、とても重要なHRのフィールドです。そして、これに付随しているのが Recruitment & Selectionです。日本語では「採用」と読んでいます。

採用で頭を悩ましていない企業はあるのでしょうか?

調べたわけではないのですが、ないでしょう。世界中で人材を求めているのが自分の企業ひとつだけであれば、ほぼ独占ですから、頭を悩ますことはないでしょう。しかし、どの企業も適材適所を求めて人材を探しているのですから、採用が簡単なわけはありません。

経験上、そして、理論上、採用がうまくいかないときには、次の観点でアセスメントをするのが打開策になります。

  1. Resourcing strategy
  2. Requirement
  3. Interview process
  4. Selection criteria
  5. Quality of interviewers
  6. Employer Branding

ひとつずつ見ていきましょう。

1. Resourcing strategey

この観点は、どのチャンネルで人材を探しているのかということです。たとえば、リーガルの人材を求めているとします。外部の人材紹介会社にお願いをしました。いつもお願いをしている会社なのでうまくいくと思ったがなかなか人が集まらない。そこで考えてみた。お願いをしている人材紹介会社は、リーガル人材に強いのか? たとえば、リーガルに特化した人材紹介会社があります。では、いつもお願いをしている人材紹介会社ではなく、リーガル専門の人材紹介会社にお願いしよう。すると、うまく候補者があがるようになります。

2. Requirement

募集をかけた。人材紹介会社も適切だ。でも、候補者が上がってこない。どうしてだろう? 人材紹介会社に聞いてみたら、腹を割って話してくれた。御社の要求内容が多すぎて、こんな人材はあまりいないし、いたとしても、給与が高いので、御社の予算では候補者は見つかりません。

あるあるです。

こんなときは、予算をあげるか、要求事項を見直すか。人材紹介会社に相談にのってもらいながら、代替案となる要求事項を作るのも有効です。

3. Interview process

候補者はあがってくるが、なかなか最後まで至らない。時間ばかりかかってしまって、成果がなかなか上がらない。こんなときは、Interview Processを疑ってみるのが有効だと思います。

たとえば、誰が、どの順序で面接するのか決まっていない。すると、行きあたりばったりで、その都度、面接者が加わったり、面接のステップが増えたりします。こんないい加減なデザインで、採用がうまくいくと思ったら、採用を過小評価していますね。

最初の段階で、いくつのステップで面接をするのか、それぞれ、誰が面接するのか決めれば、それぞれのステップのフォーカスも自ずと決まりやすくなります。すると、意思決定がしやすくなります。

また、候補者に面接のステップを説明することで、透明性が高まり、企業のイメージをよくすることができます。

4. Selection criteria

面接する人によって期待することが違う、役割に対して言っていることが違うと思うことはありませんか? もし、そうだとしたら、その会社は、採用基準があやふやということです。Interview processが最初に決められていないのも原因ですが、そもそも、この役割については、いい人材とはどのような人か明確に鳴っていないと、採用基準があやふやになります。これでは、採用が滞ります。

Job Descriptionを作っておくのは当然ですが、こういう人材は取らないというルールを確立しておくのが有効です。

5. Quality of interviewers

採用がうまくいかないとき、面接者のスキル不足という問題もあります。これは、面接者とHRが同席して、どのような質問をしたか観察し、後でフィードバックすることで向上を図ることが可能です。

面接が下手な面接者は、一般的にYes/Noで答えられる質問をします。また、hypothetical questionといって、仮想的な質問をします。当社に入ったらどのように貢献をしたいですか? これは、この質問を想定していた候補者がよく見えるだけで、実際に今の会社で素晴らしい貢献をしているかどうかはわかりません。現在及び過去の仕事に対して話をさせるような質問が有効です。

加えて、男性だけ、女性だけで面接者を構成するのではなく、男性の面接者と女性の面接者の両方を加えることで、面接者全体のバランスを取ることも可能です。

6. Employer Branding

以前の記事でも書きましたが、候補者に対する会社のブランド価値です。会社の名前をきいただけで、候補者が受けたいと思うようなブランドであれば最高です。しかし、すべての会社が有名なわけではありません。

重要なのは二つです。

まず、候補者のUser experienceです。面接を受けると、良くても悪くても、その結果がすぐに明確に返ってくる会社にはいい印象が残ります。一方、突然面接を入れてきたのに、その結果が一ヶ月経っても返ってこないと、悪い印象しか残りません。User experienceとしては最悪の部類です。User experienceをあげることで、Employer Brandingは高まり、うまく機能します。

もう一つは、会社と、提示している役割をどう売るかです。有名な会社=エキサイティングな仕事ではありません。たとえば、女性の活用が進んでおり、女性のマネジャーもたくさんいる会社は、そのことを採用過程で説明することで、女性の候補者に強くアピールすることができます。また、フレキシブルワーキングが進んでいる会社は、それをアピールに使うこともできます。

この二つを組み合わせて、Employer Brandingを有効に使えば、採用過程全体の後押しをすることができます。

以上、思うことを書きましたが、面接者の魅力も侮れません。採用で会った人がすべて感じがよかったと候補者が感じるというのは、候補者を逃さないという点で有効な側面です。ただ、これに関しては、あなたは魅力が薄いから面接者として向かないと言うのは、だれがやろうと、不適切ですから、せめて、面接者は、候補者に対しては最低限の礼儀をわきまえるようにというアドバイスとしてかえさせていただきます。

Thursday, 18 August 2022

HRに関して思うこと - 007

報酬(Reward)もHRにとっては大切な分野ですね。

給与計算とは違います。

実際、給与計算はアメリカでは経理部で行っているところもあるくらいです。やはり、給与計算はオペレーション的な要素が強いと思います。

報酬は、制度的な側面が強いでしょう。そして、大きく分けると二つに分かれます。

  • Pay 
  • Benefits

Payというのは給与や賞与で、さらに

  • Fixed pay(固定報酬)
  • Variable pay(変動報酬)

に分かれます。

Benefitsというのは、企業年金や健康保険などいわゆる福利厚生を指しますが、フレキシブルワーキングも含まれます。

ところで、報酬の目的は何でしょうか? CIPDではこんなふうに定義しています。

The main reason for offering pay and benefits is to influence employee behaviour so they want to join and stay with an employer and to do their best in the job.

上を読んではっとしました。

狙うのは、望ましい行動を生み出すこと。

もちろん、強制はできないので、報酬をデザインすることで、望ましい行動を社員が生み出すように影響するというのが目的です。

本社人事ではなく、各国の人事として業務に携わっていると、報酬の実際に時間を割くため、いや、このbase salaryは高すぎるだろうとか、promotionするのにbase salaryを与えないのはおかしいだろうとかいう話が多く、逆に、このやり方で、望むべき行動が生まれているのかという本質的な議論はすることがあまりありません。

だからこそ、Country Head of Human Resourcesは時には本質的な議論を課す必要もあるのかなと思いました。

Wednesday, 17 August 2022

HRに関して思うこと - 006

 今日で、採用(Recruitment)に関する雑記は終了しますが……

やはり、採用に関する判断は難しい。人の判断は、時間帯によっても異なるそうです。それだけ、ぶれやすいということなんでしょうね。

だからこそ、採用に関する条件は同じにするべきとのことです。例えば、

  • 職務経歴書を印刷して面接に望むのなら、すべて、印刷した職務経歴書をもたすべき
  • Face to faceで面接をするのなら、全候補者に対してそうすべき。この人はFace to faceで会って、別の人はRemoteというのは条件が異なることになるから避けるべき
  • できるだけ同じ時間帯で候補者を面接するほうがいい
「面接の条件を同じにすることが、フェアな判断を担保する鍵となる」という言葉には、まさにそうだと納得しました。こういう点はHRとして、面接担当者に付加価値を出せる点かなと思いました。

Tuesday, 16 August 2022

HRに関して思うこと - 005

CIPDのドキュメントを読んでいます。

内容は採用。

Structured interviewってありますよね?

GoogleとかAmazonとかがやるインタビューで、質問が最初から定義されており、それぞれを各面接者が行っていくというものです。

ぼくはてっきり、

Structured interview > Unstructured interview

と思っていたのですが、調査ではそうとは言い切れないのだとか。つまり、Structured interviewにも弱点はあるし、Unstructured interviewにも利点があるそうです。

結論としては組み合わせるのがいいそうです。

ということは、

  • HR; structured interview
  • Hiring Manager: unstructured interview

というやり方もいいみたいですね。


Monday, 15 August 2022

HRに関して思うこと - 004

採用は難しいよ。

そんな声を聞きます。

逆に、採用は簡単だよという声は聞きません。

どうしてかというと、判断に関係するからです。

候補者が10年以上にわたって築いてきたキャリア。どんなことを学び、どんな専門性を築き、どんなふうに組織の中で働いて、どんな成果を出してきたのか。

わずか60分と職務経歴書で10年分を判断する。

簡単なわけがないですよね。

逆に、候補者からすると、10年分のすべてをわずか60分と数枚の職務経歴書で表現できるのか。

だからこそ、人材紹介会社が間に入って、生きた情報を提供したりして、付加価値を出す機会があります。

また、候補者も、面接者も、採用面接に先立って準備をします。

というか、準備をしているはずなのですが、実際はどれくらい準備をしているのでしょう?

少なくとも、面接者は二つの観点から準備をしてほしいとHRとしては思います。

  1. 面接の精度をあげる
  2. 会社のブランドを高める

特に二点目は大きいですね。面接者しだいで、いい会社だと思ったり、ひどい会社だと思ったりします。

待たされたあげく、上から目線の面接。

これだと、面接者ひとりの問題が、会社とのエクスペリエンスとして、一人歩きをします。あそこはひどい会社だと。

面接をしてから、結果が全然来ない。

これもいけません。面接をしたら、結果を通知するのが礼儀でしょう。結果を通知しないのは、レスペクトの欠如です。

まずは、やめるべきことを認識して、ひとつずつやめていきましょう。そして、やるべきことをやりましょう。

Employer brandingです。

Saturday, 13 August 2022

HRに関して思うこと - 003

採用(Recruitment)の前に、人員計画(Workforce planning)が重要なのは当たり前ですが、採用が重要でないわけではなく、また、採用が簡単なわけでもありません。

実際、採用に失敗した例は枚挙に暇がないと言ってもいいでしょう。

かく言う私もやらかしてます。二人の候補者から迷って採用したものの、あとから、別の人を採用すればよかったと悔やんだり、この候補者は採用するべきじゃないと言ったにも関わらず、採用が進んでしまい、入社して試用期間が進んだところで、やはり、懸念していた問題が表面化したり……

CIPDでは、採用を次の四つのプロセスに分類しています。

  • Defining the role
  • Attracting applicants
  • Managing the application and selection process
  • Making the appointment

つまりは、

  • 採用するポジション(role)を定義する
  • 候補者を集める
  • 応募のマネジメントと選考
  • オファー・マネジメント

ということです。HR professionalには新鮮でもなんでもなく、知っている内容ですが、分かっているのは、これをすべてしっかりこなすことは簡単ではないということです。

Defining the role

まず、ポジションの定義ですが、わかりやすい成果物は job description つまり職務内容定義です。外資系では当たり前の書類ですが、日本の企業ではそろっていますか? いや、外資系であっても、採用をしたいという割には、まだ、job description がありませんなんてこともあります。

Attracting applicants

候補者を集める方法はいろいろあります。社内の候補者を考慮するというのはすばらしい方法です。また、社外の候補者を集めるのも有力な方法です。会社のウェブサイトに掲載したり、job board に掲載したり、あるいは、人材紹介会社にお願いする方法もあります。

最初に考えた方法で応募があまり集まらないときに打開策を提案するのは、HRの腕の見せ所です。一方で、先に人材紹介会社にお願いをして最終候補者を何名か絞ってから社内の候補者も考慮するというのはお勧めできません。人材紹介会社にとって、時間のムダとなる可能性があり、そのようなやり方を続けていては、人材紹介会社との関係が悪化する恐れがあります。

Managing the applicants and selection process

おそらく一番頭を悩ますのは、このプロセスです。ときに、素晴らしい候補者を見落とすこともあります。逆に、要求とは外れている候補者を選んでしまうこともあります。

なぜ失敗するのでしょうか?

間違った質問をしたというのもあります。本来、job description を作成した時点で、好ましい候補者を定義しているはずですから、まずは、職務内容を経験しているのか、どのような働き方をしているのか、質問を用意しておくべきですが、そうでないケースが多々あります。これでは、そもそも、判断のしようがありません。

さらに、判断に間違うことが多々あります。

結局、人間はさまざまなバイアスにより判断の客観性が脅かされています。人を判断することは、思ったより難しいのです。どうしても、自分に似た候補者を好きになるというのは有名なバイアスですが、これに抵抗することは難しいでしょう。

しかし、あらかじめ、質問・面接者・ステップを決めておけば、こういった間違いは少なくすることができます。

Making the appointment

日本の会社だと、内々定、内定という形ですが、外資系では、次のステップを踏むことが多いと思います。

  • Verbal offer
  • Written offer
  • Pre-employment screening

Pre-employment screeningはリファレンスをもらうというのではなく、候補者のバックグラウンドの確認です。◯◯大学卒業と言っているか、本当だろうか? 職歴に間違いはないだろうか? 中国では学歴詐称は日本の比ではないので、さまざまな国籍の社員を採用する企業は、たとえ日本の企業であっても、Pre-employment screeningは行うほうがいいと思います。個人的には、政党も候補者を立てる前に、こういったチェックを第三者にしてもらうのがいいのではないかと思います。

以上、採用をざっと見ましたが、二人の候補者で迷ったらどうするか?

その時の私の回答はシンプルです。性格または人柄がいいと思う候補者を選ぶことです。

Friday, 12 August 2022

HRに関して思うこと - 002

採用(Recruiting)はやっぱり大切だなと思います。

なんと言っても、HRのLife cycleの最初の方に位置します。「最初」ではなく「最初の方」と言う理由は、本来、HRのLife cycleからすると、一番最初にあたるのは次のものだからです。

Workforce planning

「人員計画」ですね。人によっては、human resource planningと言う人もいますが、それだと、人事部計画と誤解される恐れもあるので、やはり、「workforce planning」です。

Workforce planningの基本は次の英語に要約されていると思います。

Workforce planning is the process of balancing labour supply (skills) against the demand (numbers needed). [...] It's about getting the right number of people with the right skills employed in the right place at the right time, at the right cost and on the right contract to deliver an organisation's short and long-term objectives. (CIPD)

 まずは、人員というよりは人材に関して、社内の需要と社内外の供給のバランスを保つこと。人の数は足りているが、スキルが足りてないのでは、Workforce planningがうまく行っているとは言えません。満たす必要があるのは

  • 人数
  • スキル
  • 採用先(配置先)
  • タイミング
  • コスト
  • 契約形態

最近は、採用に関しては、HRから切り離したり、外部にアウトソースしたりするケースが増えてきているように思います。これは、採用オペレーションという観点からは正しいと思います。

一方で、HRBPには、上で述べたWorkforce planningが残ります。HRBPは自分の担当部署がWorkforce planningを満たしているか常に問題意識をもつことが必要だと思います。一方、Head of HR Japanなら、日本の拠点ににおいてWorkforce planningが満たされているのかという問題意識をもつことが求められていると思います。

基本といえば基本ですが、基本をどれくらいこなしているかがExcellenceにつながるので、少しつぶやいてみました。



Monday, 8 August 2022

Performance Reviewは難しい

Performance reviewは難しい。

何年関わってもそう思います。

こうすれば、伝えにくいことも伝わるとか、改善してほしいことを理解してもらえるとか、マネジャーとメンバーの間のギャップを埋める効果的な言葉とか、いわゆる特効薬はないのです。結局、魔法の杖は存在しないのです。

ただ、原則はあります。

  1. Honest and transparent
  2. Recognise both qualities and weaknesses
  3. Put the conversation in writing

やはり、単刀直入に言うに限ります。「少し嫌なこと言います」とか先に言ってから、改善点をひとつ述べる。そして、反応を見る。その反応に対して率直に思うことを端的に述べる。あくまで、感情は抑えながら。

この原則に従いながら、場数を踏むことで、スキルを高めることができます。

それから、評価をするときには、よくできたことと、できなかったことを述べます。

  • what you did well
  • what you could have done better

できなかったことだけ言うと、個人攻撃に見えるリスクが高まります。できなかったことを言うのは改善してほしいから。改善してもらうためには、こちらのポイントを受け入れて貰う必要があります。そのためには、いいところも認めていることを伝えるほうがいいでしょう。

 さいごに、話した内容を文章にします。通常は、会社が提供しているシステムに入れるのですが、ここが弱いことがとても多い。曰く、きついことを書くとかわいそうだから。

本当にかわいそうなのは、そうやって、情けをあげることで、緊急度が伝わらないこと。そもそも、Performanc reviewで改善点を言わないと行けないということは、相当、煮詰まっている段階です。ちょっとしたことなら、日頃のかんたんな会話で言えばすみます。

だから、しっかり書きましょう。たとえば、

  • You failed to meet the deadline despite repeated reminders on a few occasions. Theses failues caused unnecessary trouble and workload to the stakeholders. Please do meet the deadlines going forward and speak to me in advance in case you see a risk of failing to meet the deadline.

と言った具合です。でも、これをこんなふうに書く人が多い。

  • You should meet the deadline and speak to me in advance in case you find it difficult to do so.

これだと、失敗したという事実が伝わらないので迫力と緊張感が希薄になります。もちろん、最初のモデル例のようなコメントを書く際には、具体的な失敗例を提示できるようにしておくことが必要です。

 

Sunday, 7 August 2022

HRに関して思うこと - 001

世の中で言われる「人事」という仕事に携わって20年。もっとも、日本の会社ではなく、外資系ですので、「人事」というよりは「HR」というほうがしっくり来ます。

外資系と日本の会社と「人事」は違うのかと思う方!

良い質問です。

ぼくは外資系の「人事」しかやっていませんので、体験というよりは、小耳に挟んだことからしか言えませんが、「人事」と「HR」は違うと思います。

そもそも、中の部署が違う。たとえば、「人事企画」というような部署は外資系の「HR」では見かけません。そのため、募集要項や組織図を見ていて、「人事企画」とか書いてあるのを見ると、いつも戸惑ってしまいます。

21世紀において、「HR」には大きくわけて二つの側面があることは世界では常識となっています。 

  • Transactional/operational HR
  • Strategic HR

日本の会社では、「人事」=事務=Transactional / operational という見方がまだまだ根強いと思います。その例が、人事部がCorporate(コーポレート部門)と呼ばれる部門の下に位置づけられていることです。

この下には、経理、総務、経営企画、法務に加えて人事がぶら下がっているというものです。これを見ると、この会社は日本的だなと感じてしまいます。コーポレート部門の下にぶらさがっているということは、社長またはCEOへの直接レポートするわけではなく、コーポレート部門のヘッドを通してになります。世界のトレンドは、HRは戦略的に重要な部門なので、CEOに直接レポートしているというものです。

実際、外資系では、HRはCEOに直接レポートしています。

日本の会社は、HRのTransactionalな側面を主に見ているのに対して、外資系では、Strategicな側面を期待しているのだと思います。 

最後に、日本の会社に対する提言です。

みなさんの人事部をCEOの直下に置いてください。そして、人事部により戦略的な機能を果たすよう求めてください。ぼくの考えでは、日本の産業が元気がないのは、人事部に対する時代遅れな考えが理由です。

Friday, 3 June 2022

人生と効率

 私は、新卒から数えるより定年から数えるほうが近いので、古い世代なんだと思いますが、思うことが少しあります。

飲食店で聞くのは、若い人がすぐやめてしまうという話。

とりわけ、フレンチや和食という世界は、一年や二年で極められるようなものではありません。世界に入ってから独立できるまでに十年かかることはとても多い世界です。

でも、すぐにやめてしまうのだとか。

そこで、立てた仮説が、若い世代の人々が、人生を効率という観点から見ているのではないかというものです。

こんなところで一年過ごしても無駄だから、別の仕事に移ろうという考えです。 「無駄」という考えの背後にあるのは「効率」という考えです。効率よく人生を過ごしたい。無駄を避けたい。一見、正しいように見えますが、これには危うさもあると思います。

たとえば、仕事についたものの、どうも自分には合わない、自分がワクワクすることを見いだせないのなら、それをこなしながら悩むよりは、自分の好きな方面に転職するのはとてもいいことだと思うのですが、最初についた仕事が無駄になるかどうかは、そのときに、自分が何をしたかで決まると思うのです。

たとえば、営業に配属になったけれど、どうも営業の仕事が好きになれない。やはり、マーケティングに移りたい。それだったら、一年とか二年は営業をすると決めて、その後は、社内でマーケティングに異動することを目指す。それが無理な場合には外でマーケティングの仕事につくことを考えて、週末はマーケティングの勉強をする。そうすれば、営業の仕事をマーケティングの観点から少しずつ見れるようになり、転職する際に助かるはずです。

加えて、人生に脱線は付き物。そして、脱線が人生を豊かにすることもたくさんあります。お店の発見とも似ていますよね。Googleしたり、食べログを見たわけでもないけれど、たまたま、出口を間違って発見したお店に興味を惹かれたら、とてもおいししいお店だった。出口を間違うことは単純には無駄な行為ですが、そこから、おいしいお店を発見するという副産物が生まれる。こういうことは、人生にはたくさんあるのです。

だから、もし、人生を効率の観点から見ているのなら、時には脱線してもいいと思うのもいいと思います。こういうflexibilityが後になって花開いたり、人を喜ばせたりすることがあるのですから。

即位70年を迎えたエリザベス女王も同じようなことを思うのではないかと思います。

Monday, 2 May 2022

コンサルティングとHRBP

 以前の会社で購入を義務付けられた本の中に、『Flawless consulting』というのがあります。当時は、"flawless" という言葉を知りませんでしたし、HRBP の経験も浅かったので、この本を買ったときの印象は薄かったのですが、今になって読み直してみると、冒頭から、いいことがたくさん書いていますね。

Every time you give advice to someone who is in the position to make the choice, you are consulting. For each of these moments of consulation, there are three kinds of skills you need to do a good job -- technical, interpersonal and consulting skills.

コンサルティング会社に勤めている人だけがコンサルタントというわけではない。その人が決断することに関してアドバイスをしたら、それはコンサルティングなんだという言葉が衝撃です。

上記の定義におけるコンサルティングでいい仕事をするには、3つのスキルが必要だといいます。それは、1) Technical 2) Interpersonal 3) Consulting のスキル。

まず1) Technical skill について。

If we didn't have some expertise, then people wouldn't ask for our advice.

何かに関してある程度詳しくなかったら、アドバイスを求めようとはしないでしょう。

2つ目の interpersonal skills に関しては、これと専門性があればコンサルティングはできるという人もいるそうですが、著者はそうではないといいます。ここで言う interpersonal skills というのは、考えを言葉に表したり、相手の話を聞いたり、うまく反論したり、関係を築くスキルを指します。

では、consulting skills とはどういうことなのか。著者は、いかなる規模のコンサルティングであろうとも、5つの段階を踏むものだと説明します。

  1. Entry and Contracting
  2. Discovery and Dialogue
  3. Feedback and the Decision to Act
  4. Engagement and Implementation
  5. Extension, Recycle or Termination

1. Entry and Contracting
クライアントをコンタクトを取り、クライアントが抱える問題は何なのか、自分がコンサルタントとして適任なのか、クライアントの期待は、そして、コンサルタントの期待は何なのか。

2. Discovery and Dialogue
問題がどういうものか、コンサルタントは仮定を立て、問題を掘り下げる上で誰を含めるべきか、どのような方法を使うのか、どのようなデータが必要なのか、どれくらい時間がかかりそうか。

3. Feedback and the Decision to Act
データを集め、分析し、それをクライアントにフィードバックする。当然、抵抗や反論がクライアントから予想されます。コンサルタントは、その準備をしておく必要があります。ここにおいて、プロジェクトの到達地点を定め、その実現に向かってステップを定義します。

4. Engagement and Implementation
前のステップで決まったことを実施していく段階。通常は、コンサルタントというよりは、クライアント側がアクションを取ります。行動を起こすために、ミーティングをしたり、トレーニングをしたりすることも含まれます。

5. Extension, Recyle, or Termination
導入した結果どうだったのか。効果の測定、プロジェクトの評価により、さらに対象を広げて導入するのか、それとも、終了とするのか。

著者によると、Step 1からStep 3までを"Preliminary events"と呼んでいて、そのほうが実際の導入よりも重要だといいます。

コンサルティングの難しさは上下関係のマネジメントではなく、横関係 (lateral relationships) のマネジメントだといいます。

If your client makes a demand, you don't necessarily have to obey. The pwer balance in lateral relationships is always open to ambiguity -- and to negotiation. When we get resistance from a client, sometimes we aren't sure whether to push harder or to let go.

Flawless consultation というのは consultantion without error ということです。

It concentrates most on the preliminary events because I believe compentence in contracting, discovery, and feedback create the foundation for successful outcomes in the implementation stage.

HRBP をする上で、コンサルティング技術はとても重要なので、しばらくこの本の話題を取り上げますが、ご興味のある方は以下のリンクから購入されてはどうでしょうか。

Flawless Consulting by Peter Block

Tuesday, 15 February 2022

CIPD Dec 2021 magazine

 CIPDの会報誌の最新号を読み返していたら、こんなことが書いてありました。今後、次のようなものが必要になるはずだ。

  • adaptability
  • sutainability
  • resilience
  • confidence

confidence というのはわかります。

自信=自らを信じることはいつの時代も必要です。必ず事態はよくなる、よくすることができるという自信がなくなっては、もう何もすることができなくなりますから、これは必須でしょう。

 resilience もわかります。

Covid-19により、経済はへこんでいます。事業が凹んでいるところも多いでしょう。収入が凹んだ方も多いでしょう。あるいは、さまざまな可能性が小さくなっているように感じている人も多いでしょう。でも、そこから、戻ってくるという力は、この時期において、とても大切だと思います。

でも、adaptability と sustainability は、今、必要なのだろうかと思います。

つまり、いつも必要なものであって、この今、特に必要なのだろうかと思うわけです。将来が見えず、変わりゆく時勢だからということでしょうか。

Sunday, 26 September 2021

CIPD: Experience Assessment (3)

 Experience Assessmentでは三つのレポートの提出が求められます。

  • Knowledge and Impact Report
  • Behaviour Report
  • Your Professional Development Report

中でも最も重要と思われるのが、Knowledge and Impact Reportです。もっとも分量が多いということが、その重要さの印ではないでしょうか。

ここでは、HRに関して、自分の専門性を証明する必要があります。ぼくの場合には三つのエリアに分かれていました。

  • expertise on people
  • expertise on work
  • expertise on change

ただ、専門性を証明すると言っても、自分の理解や知識を証明するわけではありません。レポートの名前はKnowledge and Impact Reportです。つまり、自分のHRにおける専門性を使ってどのようなインパクトを与えたかを証明するのです。

たとえば、HRプロフェッショナルとして取り組んだ人事の施策がステークホルダーに対してどのような価値を作り出したのか。自分が取り組んだ施策とその背景について簡潔に説明を与え、その価値について定性的な面と定量的な面とから記述する必要があります。そして、それぞれに対して英語での文字数が決まっています。文字数に関しては上限があります。10%を超える量で提出することは許されません。システム上ロックがかかります。一方、少ない場合には制限はありませんが、あまりに少ないと説得力がありません。

なお、参加者にはガイドが与えられますので、それをよく読むことが求められます。そこに、回答のサンプルもありますので、どのような形で回答すればいいのか、モデルを知ることができます。

ただ、モデルを知ったところで、自分の仕事が作る価値や与えるインパクトを日頃意識していないようでは、この8週間でなんともしようがありません。そういう意味では、面接よりも厳しいかもしれないと思いました。

Experience Assessmentは分量が多いため、毎週末に時間を取っておかないとあっという間に8週間は過ぎてしまいます。私は、まずは問題を全部見た上で、取りかかれそうなところから取り掛かりました。また、8周目は最終チェックと考えていたので、5週間くらいでほぼ仕上げて残りの1−2週でそれをよくすることで7周でほぼ完了することを目指しました。

過去五年間にしてきた仕事を思い出すのは大変な作業です。なぜなら、レポートを提出するには細かいことを思い出す必要があるからです。特に、Behaviour Reportでは、いわゆるCompetency-based questionsに似ていますので、詳細まで思い出して初めてレポートに使えるかどうか判断ができます。思ったよりこの作業が大変でした。

次はレポートの提出後に行われるステップについて話をします。

 

Two advocacies

 みなさんは、「advocacy」という英語の単語をご存知でしょうか? もともとは、 動詞の「advocate」から派生した単語です。「advocate」とは「代弁する」という意味です。「advocacy」は代弁、代弁者という意味になります。 HRにはふたつの「advocacy」...