つまらない話題かもしれませんが、ときどき、人に関することを、「HR matter」と呼ぶクライアントがいらっしゃいます。
そのたびに、内心では心を痛めております。
違うんだよな、だって、「HR matter」と言うと、「人事部門の課題」ということになってしまうから、「people matter」と呼ぶほうが誤解は少ないし、「HR matter」と呼ぶことで、深層心理では、人に関することは自分たちのことではなく、人事部門がやってくれることだと思っているように思うからです。
こういうとき、その場で訂正するほうがいいのでしょうか?
こういう用語の使い方をするクライアントは、HR planとPeople planの違いがわからないのかもしれません。
初めてPeople planを作ったとき、その違いを説明するためにスライドを一枚追加したことがあります。
- People plan: 組織における人に関する政策・計画
- HR plan: 人事部門の政策・計画
上の考えは、David Ulrich氏が本の中でも明確に違いを謳っていますが、ひょっとしたら、人事部門の中でも、この違いを意識している社員は意外と少ないかもしれません。何人のHR professionalsがこの違いを的確に説明できるのでしょうか?
HRとPeopleの違いは重要だと思います。Peopleと言ったとき、そこにあるのは、人の話は組織全体の話であるが、人事部門のリーダーシップのもとに各部門と人事部門がパートナーシップを築きながら推進していくという枠組みです。この重要な枠組みを担保するのが、Peopleという言葉だと思います。
だからこそ、最近はChief Human Resources OfficerというよりはChief People Officerというタイトル名が増えてきているのだと思います。会社における人員政策の責任をもつことをHRのトップが期待されているということです。
でも、現在はCulture transformationが期待されているので、そのうち、Chief People & Culture Officerみたいな名前もだんだん増えて行くのかもしれません。
ところで、Culture transformationですが、私は、Silver bulletがあるとは思いません。つまり、これをすればCulture transformation確定みたいな特効薬はないと思います。でも、既存のスキームやプログラムを組み合わせることで、Silver bulletに見えるようなソリューションを提供できるのではないかと思います。
たとえば、high performing cultureを推進したい。言うのは簡単ですが、行うのは難しい。まず思うのは、現在high performing cultureでないとしたら、どんな側面なのか? たとえば
1) 高いパフォーマンスを目指す人が少ない→現状で満足する人が多い
2) 高いパフォーマンスに報いる制度がない
2つ目の質問は複雑です。パフォーマンスが高くても低くても賞与や昇進・昇給にあまり直結しないのか、高いパフォーマンスを上司が勘違いしているのか?
こんなとき、まずは、Executive memberとHR Leaderが1:1で話し合いをして、high performanceとはどんなことを指すのかヒアリングを行い、それをまとめてコンセンサスを得たものをPeople Leaders及びStaffと共有し、それを評価する、その上で、その成果を図るという仕組みが有効かもしれません。
みなさんは、どんな考えをおもちですか?

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