経営とは、方向を定め、定めた方向に向かって前進することです。リーダーシップは「where to go」であり、マネジメントは「how to go」であると言われます。
つまり、どこに向かって行くのか、その方向を示すのがリーダーシップです。一方、その方向に向かってどのように進むのかに関することがマネジメントです。予定通り進んでいるのか、状況に応じて目的地へと到達する進路を変更する必要があるのかというのはマネジメントが扱う課題です。
この点に関して、『本物のリーダーとは何か』は、マネジャーとリーダーを次のように説明しています。
マネジャーはものごとを正しく行い、リーダーは正しいことをする。これはビジョンと判断に基づく行動(効果)と、実務能力に基づく行動(効率)の差と言ってもいい。ここで言う「正しい」というのは品行方正ということではなくて、適切かどうかという意味での「正しい」です。「Do the right things」がリーダーシップで、「Do it right」がマネジメントということになるでしょう。
リーダーシップとマネジメントは経営陣だけ与えられた責任ではありません。およそマネジャーと呼ばれる職責を与えられた人たちは同様にリーダーシップとマネジメントを発揮することが期待されます。たとえば、課長であれば、課の方針はどうするのか? そして、課が決めた目標を達成しているかどうかモニターしているか? この二つは課長がマネジメントとリーダーシップを発揮する例です。
こう言ってしまうと簡単なのですが、チャレンジは、これが原則であり、原則の実践には「art」が必要とされるということです。だからこそ、この両方を養成するコースがたくさん世の中には存在するのです。