世の中で言われる「人事」という仕事に携わって20年。もっとも、日本の会社ではなく、外資系ですので、「人事」というよりは「HR」というほうがしっくり来ます。
外資系と日本の会社と「人事」は違うのかと思う方!
良い質問です。
ぼくは外資系の「人事」しかやっていませんので、体験というよりは、小耳に挟んだことからしか言えませんが、「人事」と「HR」は違うと思います。
そもそも、中の部署が違う。たとえば、「人事企画」というような部署は外資系の「HR」では見かけません。そのため、募集要項や組織図を見ていて、「人事企画」とか書いてあるのを見ると、いつも戸惑ってしまいます。
21世紀において、「HR」には大きくわけて二つの側面があることは世界では常識となっています。
- Transactional/operational HR
- Strategic HR
日本の会社では、「人事」=事務=Transactional / operational という見方がまだまだ根強いと思います。その例が、人事部がCorporate(コーポレート部門)と呼ばれる部門の下に位置づけられていることです。
この下には、経理、総務、経営企画、法務に加えて人事がぶら下がっているというものです。これを見ると、この会社は日本的だなと感じてしまいます。コーポレート部門の下にぶらさがっているということは、社長またはCEOへの直接レポートするわけではなく、コーポレート部門のヘッドを通してになります。世界のトレンドは、HRは戦略的に重要な部門なので、CEOに直接レポートしているというものです。
実際、外資系では、HRはCEOに直接レポートしています。
日本の会社は、HRのTransactionalな側面を主に見ているのに対して、外資系では、Strategicな側面を期待しているのだと思います。
最後に、日本の会社に対する提言です。
みなさんの人事部をCEOの直下に置いてください。そして、人事部により戦略的な機能を果たすよう求めてください。ぼくの考えでは、日本の産業が元気がないのは、人事部に対する時代遅れな考えが理由です。
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