マネジャーたちのパフォーマンスを助ける方法というのがCIPDの記事にありました。よくある「四つの方法」とかいうタイトルです。タイトルとしてはマーケティングかぶれしていますが、興味深い内容でしたので、エッセンスをかいつまんで紹介したいと思います。
1. Be more human, not less
正直わかりにくい。そもそも、「human」というのが日本語に訳しにくい。「人間らしく」とかやっちゃうとなんのことを言っているのかポイントがずれてしまいます。そもそも、「人間らしさ」の定義が人によって異なる上に、何を念頭に「人間らしさ」を考えているか不明だから、余計にわかりにくいです。
ただ。記事を読んでみると、自分もミスを犯すということを認めることを「人間らしさ」として定義しています。ということは、人間臭くていいよということなのでしょう。
上司をやっていると、メンバーから聞かれたら、答えを用意してないといけない、完璧に振る舞わないといけない、弱みは見せられないという強迫観念に駆られがちです。何を聞いてもわからないという上司よりは、何を聞いても的確な答えが返ってくる上司は頼りがいがあるのですが、これって、弊害もあります。上司が偉大すぎて、反論ができなくなるのです。
でも、上司でさえミスをしたことを認めると、チームのメンバーもミスをしたことを認めやすくなる、ひいては、psychological safetyが増えます。やはり、血の通った上司と仕事をするのが一番。
2. Improve managers’ coaching skills
ベストなマネジャーはパフォーマンスのコーチが上手だそうです。コーチングのうまい上司についた部下は、エンゲージメントが40%高いのだとか。
ここで言うコーチングとは、すぐに指示や回答を出すことではなく、フィードバックを通して考えさせることでメンバーが回答を見つけることです。しかし、常にフィードバックを与えるマネジャーは部下には重たい存在。逆にパフォーマンスが下がってしまいます。
Connector managersというのが理想だといいます。すなわち、部下が煮詰まりそうなときにコーチングをするというマネジャーのことです。この場合はパフォーマンスが26%も上昇するそうです。
でも、これって、新しいことじゃないですよ。まだ昭和の時代にも、すばらしい上司は、静かに見守っていて、ここぞという時に、手助けすることができる人だったように思います。
3. Make one-to-ones more meaningful
一対一の会話が苦手だと答えるマネジャーが多いそうです。なんと、67%のマネジャーがコミュニケーションが苦手だと回答。37%はパフォーマンスに関するフィードバックを伝えるのが苦手だと回答。パフォーマンスに関するフィードバックを伝えることのほうが苦手だと考えるマネジャーが少ないのは意外です。
4. Embed personal development in everyday life
研修ではなく、日々、育成を散りばめるほうがいいよというアドバイスです。研修だと、インテンシブな時間を過ごすことができますが、そこで習ったことは忘却曲線に沿って、どんどん脳裏から離れていってしまいます。
一方、小さなことを日々リマインドしてあげれば、忘却曲線に逆らって部下は成長していくというのです。これは外国語の習得などはまさにそうですので、Behaviourを変えたいときにはぜひ利用したいアプローチですね。
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