企業を考える上では、組織と個人という構図もあります。組織と個人が切り離された存在であるかのように捉える考え方もありますが、おそらくは、それぞれが関係性の中で存在するものであるという考え方が主流でしょう。つまり、組織と個人は影響を及ぼしあう個別の存在なのです。チャーチル元英国首相はかつてこのように言いました。
We shape our buildings and afterward our buildings shape us.個人が建物をつくり、建物が個人をつくるというこの観察は、組織と個人に当てはまります。つまり、個人が組織を形作り、組織が個人を形作るのです。これが関係性です。優秀な人事プロフェッショナルは、組織とはどういうものか、個人はどう行動するのか、そして組織と個人の関係性において行動はどう変化し形作られるのか理解する必要があります。
これは、組織行動学(Organizational Behaviour)の分野です。私が「Essentials of Organizational Behavior」を推薦するのは、これが組織行動学について最もポピュラーな書籍であることと、英語と日本語の両方が手に入ることです。ただ、日本語版は英語版よりは版が遅れているため、英語力に不安がなくい方は英語版を手に入れることをお薦めします。
この本によると組織行動学は「個人、グループ、そして組織構造が組織内で行動にどういう影響を与えるか研究する学問」(Study of the influence that individuals, groups, and organizational structure have on behavior within organizations)と定義されています。そして、その主な目的は「組織行動学の知識を使って組織の効果を高めること」(to apply that knowledge toward improving an organization's effectiveness)と定義されています。組織がより効果的になるというのは、人事の目的ですから、組織行動学の知識が優秀な人事ジェネラリストに必要というのは、この点からも明らでしょう。ぜひ読んでほしい本です。
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