現在読んでいる本の中で、素晴らしい箇所にあったので紹介させてください。
<blockquote><p>「リーダーは年がら年中、意識のうえで部下の査定をしなければならない」とブラウンは語る。「また、その評価を常に部下に告げなければならない。自分が部下をどう見ているかを伝える機会は、一年に二十回、三十回、いや六十回だってある。機会をみすみす逸してはならない。もし年度の終わりに上司から告げられたことに心底驚く部下がいたら、それはリーダーの責任だ」</p></blockquote>
通常、業績評価またはPerformance Reviewは年に二回行われます。しかし、これは年に二回行えばいいということではなく、せめて半期ごとにパフォーマンスをフォーマルに振り返らなければ、年間を通してのパフォーマンスのマネジメントを行ったとは言いにくくなるということだと思います。本来なら四半期ごとにパフォーマンスを振り返るべきだと思うのですが、これをフォーマルに行うと、人事部及びマネジャーへの負担が大きくなるため、フォーマルなレビューは年に二回にとどめている会社がほとんどです。
本来の姿は、必要とあればいつでもすることです。たとえば、パフォーマンス上問題のある行動を見つけた場合には、年に二回の業績評価まで待つ必要はありません。できるだけリアルタイムでそのことを指摘し、改善を呼びかけるべきです。その上で、改善できるようにサポートを与え、それでもだめであれば、さらに指摘を行う。その結果、改善が見られればフォーマルな業績評価では、改善が見られたと書くことになるでしょうし、改善が不十分であれば、そのように書くことになるでしょう。そうであれば、社員が驚くことはありません。
しかし、問題のある行動を見つけ、メモを取っていたとしても、そのことをリアルタイムに指摘していなければ、社員は、そのことを業績評価で指摘されれば驚くでしょうし、何よりも、上司が改善が必要と思っていたのなら、その時点でそう言って、本人に改善をするチャンスを与えるべきだったと感じるでしょう。それを怠ったとすれば、上司が部下を貶めようとしていたか、上司がパフォーマンスをマネジメントしていなかったかのどちらであり、いずれにしても深刻な問題です。
その点を上の引用は簡潔に突いています。本当にすばらしいです。引用では「リーダー」と書いていますが、この内容は、部下をもつマネジャー全員に当てられたメッセージだと思います。
組織が持続していくためには、絶え間なく変化する環境に対応して進化を続けなければならない。組織を構成するのは個人だが、個人の行動を制限するのは組織だ。組織が成功を築くためにどのような判断を行うのか、そして判断を行うためにどのような質問をするのか? 個人と組織の意思決定及び質問の質、そして、進化能力が組織の能力ではないかと考えています。
Friday, 16 November 2012
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